Brighten Brand Note - BBmedia inc. 社長 佐野真一のブログ

BBmedia inc. 社長 佐野真一のブログ

命を救うメッセージ

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今回は世界で90億回以上再生されたムービー「It Can Wait」を紹介したいと思います。

この動画をつくったAT&Tは2010年から運転中にテキストメッセージを打たない・見ないというキャンペーンを行っています。米国の調査によれば、スマホユーザー10人中7人が運転中にスマホで何かしている、10人中4人がSNSを使う、さらになんと17%が運転中に自撮り写真を投稿したことがあると答えたそうです。日本でも似たり寄ったりではないでしょうか。人間の行為は自分の心の中で理屈をつけて正当化してしまいます。

この映像の狙いは、単に「危険ですよ」「気を付けましょう」の認知を高めるのではなく、人々の行動を「やめさせる」「改めさせる」ことでした。そして映像を見た人の57%が見た後の行動を改めると答えたそうです。「もうスマホは見ない」、「運転中にはグローブボックスに入れる」と。

入念にプランニングされたシナリオで、ごくごく普通の人が、ほんの一瞬スマホを見たタイミングに悲惨な事故が起き、周りの人たちにも大きなショックを与えるという内容です。

私自身もこの映像を見て強いショックを受けました。人の行動を変える力を持つ映像だと感じましたし、映像には大きな力があり、「恥で動かすよりも共感で人の心を動かすほうがパワフル」であると確信できました。

わたしたちの仕事は社会的にとても意義のあるものだと改めて感じますね。

http://www.adforum.com/agency/4945/creative-work/34515370/it-can-wait/att

作り手の気持ち

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先週、ビービーメディアの若手が在籍していた大学ゼミの後輩のみなさんが作った映像作品上映会Movie Design Yamagataに参加しました。企業とのコラボ、舟形町など地域とのコラボ、そして個人作品と約1時間半、20本以上のショートムービーを鑑賞させていただきました。約20年前にお世話になった著名なTVCM・映像ディレクターである指導教授の温かく厳しい学生への姿勢、特別ゲストとしていらしたクリエーティブディレクターの若い人を勇気づける講評にも触れながらとてもハートフルなひとときでした。

発表を聞きながら自分も6秒から長尺の映画や3Dや360度映像までとてつもない数とバリエーションの映像に慣れきってしまい、映像をすっかりコモディティ化してしまっているなあと改めて反省。と同時になぜ今回は集中できたのか、その理由はひとつひとつ丁寧に学生さんから制作意図を聞けたことでした。作り手の気持ちを「自分ごと」にできたからです。やはり基本を忘れてはいけませんね。

東北・山形の澄んだ空気と水が根底にあるせいか、自然光がきれいで人が素直で飾らず生き生きと描かれていた作品が印象的でした。

リーダーシップの法則

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先日、茨木に出張した際、水戸駅で思わずパチリ。恥ずかしながら鉾田市と聞いて地理もよく知らなかったのですが。アンデスメロンの生産量日本一なのですね。さらにNO.1がこんなにずらり。ここでふと思い出したのがアル・ライズ氏とジャック・トロウト氏が書いた名著「マーケティング22の法則」にあった第一法則です。

大西洋横断飛行に最初に単独で成功した人物の名前は?といえば、チャールズ・リンドバーク。多くの人が答えられますね。では、2番目に成功した人は誰でしょうか?米国人でもなかなか答えられません。彼の名前はバート・ヒンクラー。ヒンクラーはリンドバークよりも優れたパイロットでさらに速かったそうです。

幼いころよく食べた甘くて瑞々しい香りが好きな私にとって鉾田市といえばアンデスメロン。リーダーシップの法則は今も健在です。

デジタルの誤算

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昔、新聞が広告ばっかりだとかTVのスポット広告が多すぎると言われた時期がありました。今もなお、土曜日の朝刊はチラシが本紙より厚かったり、TVでも見たいシーンに続きはCMの後でといった状況は続いています。広告はうんざりだと思う人がいてもアナログの世界では無視はできても拒絶はできませんでした。

ところが今、消費者は広告を拒絶できるようになりつつあります。DVRではすでに消費者は広告をスキップするようになりました。そしてデジタル技術は広告ブロックというアナログの時代には考えられなかったことを可能にしつつあるのです。米国では積極的にアドブロックを行う消費者が4千万人を超えたとも言われています。

情報量がとてつもなく増えたことは広告に対してネガティブな思いを持つ人を増加させているような気がしてなりません。私自身リターゲティングされて何度も同じバナー広告が出てくるのには嫌悪感を覚えます。デジタル広告が期待されて出始めたころ、まさかデジタル技術によって排除されるようになるとは想像していなかったと思います。アドブロッカーはデジタル広告の天敵になるかもしれません。

「ポチッ」:新たな視点

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ブランドは何で記憶されるのでしょうか。古典的には、ブランドの外見や特徴、ブランドキャラクター、名前、ロゴ、広告物、口コミなどによって人に覚えられると言われてきました。ブランドをあらわすビジュアルデザインといっても目的の違いによって以下の如くさまざまなものがあります。

ロゴ:「ロゴタイプ」の略。会社名・商品名などの文字を特別にデザインしたもの。意匠文字。

シグネチャー:署名のこと。意味は(認定、特徴、代表的な)等。たとえば、MasterCardコーポレート・シグネチャーはビジュアル・アイデンティティを表わす。

トレードマーク:1 登録商標。商標。2 対象を特徴づける独特の外見。

アイコン:もとの対象の形を(一部にでも)とどめる記号。イコン。コンピュータで、画面上のそれを指して選ぶことで操作が指図できるように、その指図にちなむ形を表した図形。

そして今、スマホスマートテレビの普及によってブランドをあらわす新しいビジュアルデザインが登場しました。それはブランドボタンです。何故かというとスマホユーザーの全使用時間のうちなんと88%がアプリケーションを起動しているという事実からわかります。フェイスブックやユーチューブボタンは製品・サービスの名前イメージであり、外見イメージであり、なによりもスイッチONのデザインなのです。

ただ押すことによって動作するスイッチの一種だったボタンはデジタルの世界でブランドを記憶させる新たなファクターとなりました。

ホンカツ

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現在ユーチューブではなんと毎分300時間の動画がアップロードされています。今やユーチューブ最大の強みは一方で最大の弱みとも言えます。なぜなら人々はユーチューブ内で情報を探し回ろうとせず、ファイスブックのフィードを参考にしたり、テレビ式の番組ならばNetflixやHuluに直接行ってしまうようになりつつあるからです。

人々のこうした行動の変化はどこから生まれるのか、それは「無限の情報と有限の時間」の差の広がりがさらに大きくなっているからだと思います。いくら情報をまとめてくれても追いつかないのが現状ですね。

さて、そんな中で今回は昨年から始めた活動をひとつご紹介したいと思います。それは読書会です。就活、婚活のゴロ合わせでメンバーの有志が「ホンカツ」と名付けてくれました。月1回幹事が決めた課題図書を事前に読んできて皆でその本をネタに議論するというシンプルなものです。何を今更と思われる方も多いのではないでしょうか。始めた理由はいくつかあります。大きくは若手メンバー自身の思索力の向上とメンバーそれぞれの考え方や見方をお互いに知ることです。簡単に情報が手に入り、効率が問われる時代、それでも良書は人生を変えるパワーを秘めています。その醍醐味を知らないことは不幸なことです。

なかなか業務に追われて参加者が少ないのですが、人数が少ない分「深く濃い」時間となっています。

目標はシェア

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シェア(市場占有率)だけでなくシェア(共有)の時代がやってきました。

英国のUnruly社が発表した昨年もっとも世界でシェアされた広告はアンドロイドのFriends Fureverでした。その数なんと643万シェア。ビュー数と比べてシェアの確率がきわめて高いといえます。

日本にまもなく上陸すると言われるバズフィード(Buzzfeed)では訪問者の75%がシェアできるコンテンツを探しに来ているとのこと。シェアの研究から見えてきた共有されやすいコンテンツには以下の特徴があるそうです。

1. 自分事に思えるモノ
2. 面白くてユーモアがあるモノ
3. タイミングに合わせたモノ
4. 他人と同じ感情を抱くモノ

ニールセンによればデータを使って最適なタイミングを見計らってのポストはそうでないモノと比べてリーチが91%増加し当然シェアも上がる結果が出たそうです。さらに、SNSのプラットフォームによってシェアする動機づけも異なります。たとえばFacebookアイデンティティPinterestは未来にやりたい・なりたい自分、Twitterはリアルタイムなどです。

 シェアに値するコンテンツを作るにはブランドへの理解、オーディエンスへの理解、そしてプラットフォームへの理解が必要になりました。