Brighten Brand Note - BBmedia inc. 社長 佐野真一のブログ

BBmedia inc. 社長 佐野真一のブログ

60日が人を変える?

 

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「習慣をつくる」ことは昔からマーケティングにおいてもっとも重要な視点をひとつです。今年はコロナ感染のパンデミックによって随分と新しい習慣が生まれました。たとえば、多くの日本人は今まで習慣がなかった検温を3月後半から毎日行うようになりました。体温について「自覚症状があってから測るから自覚症状の有無にかかわらず測る」に切り替わったわけです。すると今まで気にしなかった自覚症状以上に体温の変化を気にするようになりました。マスク着用、手洗い、消毒、密を避けるもほぼ習慣化しました。

「ある行動が60日間続けば、それは日常生活に定着する」とは除菌・掃除ブランド「Lysol」を持つレキッドベンキーザーCEOの言葉です。ヒルトンホテル、デルタ航空、レンタカーのエイビスなどは米国でレキッドベンキーザー社と提携して、消費者を安心させる新しい衛生慣行、清掃業務の導入を開始しました。ヒルトングループはグループ内の18ブランド全体で有する6100拠点のホテルで新たに導入した清掃プログラムを宣伝しています。デルタ航空ではライゾールのスプレーや付記掃除用品の購入に加えて、ライゾールブランドと手を組んで、消費者調査に基づいて空港および機内用の新しい消毒用品の開発を進めるとのことです。いずれも新たな習慣を安心に変換してブランド価値につなげるのが狙いです。

実はビジネスにおいて「習慣をつくる」から「習慣を定着化させる」ことのほうがもっと大切であり難易度が高いと言えます。たとえば、会員制やサブクリのビジネス手法はこれを狙ったものです。P&Gのファブリーズのマーケティングでは「Habit Creation」:ファブリーズを使う習慣を創り出すことを課題としながら、定着化に向けて実際に使っているユーザーから多彩な使用シーンを教えてもらい、それをTVCMの表現に活用しました。すでに使っているユーザーにとっては「そんな使い方があるならば試してみよう」という提案になったそうです。ご存知のように今や「ファブリーズする?」というのが室内除菌スプレーの代名詞になりました。

さて、コロナウイルスの感染が収束した時、マスクを人々が外すことができるようになった時、今起こっている新しい習慣はどのくらい変化するのでしょうか。考えるヒントのひとつとして「行動が無意識なのか、それとも意識をして行っているか」のどちらかによって異なる気がします。無意識に行う習慣はスピリチャルな部分も含めて心地がよいかどうか?意識している場合は費用対効果を含めて満足を自覚し続けているかどうか?に左右されるでしょう。

「習慣は人を変える」というぐらい良い習慣を持てるかどうかは人生に影響を及ぼします。ブランドも人の良い習慣をつくる、そして定着させるという発想をもっと広げてほしいと思います。