個人情報の取り扱いが厳しくなってからもう数年以上が経過し、お互いの住所を尋ねることが気難しい社会になりました。多くの企業・団体では住所録をオープンにしなくなり、それと同期するかのように中元・歳暮や年賀状の廃止など昔ながらの風習も見直されるようになりました。旧来の知人は別として年賀状のやりとりも会社の住所同士で行うことが増えた気がします。今年、あるクライアントさんから「弊社は年賀状を会社から出すことをやめたのでかわりにメールでご挨拶いたします」といった年賀を頂戴しました。「気持ち」をいただいたなあと感じた次第。「気持ち」を何かに表さないで何もなくなってしまうことは人と人を結ぶ絆や関わりを希薄にしていくのではと危惧します。形式にこだわることは好きではありませんが、形式は「気持ち」を表すのに便利な印でもあると思います。
一方、デジタルの世界ではフェイスブックやtwitterといったＳＮＳが普及したおかげで旧友や知人の知人など、今まで知りえなかったつながりが生まれています。個人情報を厳しく管理していく流れに対してある意味での逆行が同時に起きているのは興味深いと思いますね。やっぱりいつの時代も人は人とのつながりを求めているのです。こちらは気軽に人と人のつながりをつくってくれますが、あくまでも道具、「気持ち」をさらに大切に考えなくてはいけません。
