Brighten Brand Note - BBmedia inc. 社長 佐野真一のブログ

BBmedia inc. 社長 佐野真一のブログ

ブランドの理想

昨年米国で出版されたマーケティング関連書の中でベスト3の書籍に関するレポートがあります。マーケティングの最新潮流を見るには良いかもしれませんね。読んでみて面白かったのはマーケティングの体裁をとりつつも、どれもがマーケティングを心から信奉していないという点です。確かに米国や日本において従来のマスマーケティングは峠を越えて、同じやり方の延長ではかつてのような効果を生むことができなくなりました。といってそれに代わる方法を持っていないので何とか手を変え、品を変えながらベターな手段を探し続けています。広告やマーケティングに従事する多くの人々が実感しているのではないかと思います。

そんな中で元P&GのCMOだったジムステンゲル氏が昨年12月に「GROW」という本を出版しました。この本も上記の流れを受けています。2000年から2010年の十年間で著しく成長したブランドを調べてステンゲル50と名付けたリストにまとめました。そして優れた企業は優れた理想「BRAND IDEAL」があると断言したのです。ブランドについて昔からミッション、アイデンティティ、フィロソフィーなど似たような言葉は語られてきました。どれも重要な概念ですが、ブランドの理想はこれらの上位概念であると思います。

ではなぜ今「BRAND IDEAL」なのでしょうか。それは小手先ではだめだという裏返しでもあります。365日社会やユーザーから評価されるようになった今、企業が触れ合うすべての人を結びつけるのが「理想」なのです。その意味では企業やブランドはブレない理想を軸に誠実なビジネスをしていくだけでなく、それをユーザーや社会が一緒に感じられるようにしなければなりません。コミュニケーションのフロンティアもここにある気がしています。