Brighten Brand Note - BBmedia inc. 社長 佐野真一のブログ

BBmedia inc. 社長 佐野真一のブログ

戦略は死んだのか

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「現代は、不安定で、不透明で、複雑で、曖昧な時代だ。そしてとてもパワフルな世界だ。我々の子供の世代は、オンラインでお互いにつながり、ブランドともつながっている。彼らの世界には国境もなく、そのつながりにお金は発生しない。もはや戦略は通用しないのだ。今後何が起きるか、誰にも予測がつかない。時間とお金をかけて戦略を練っても、競合他社に模倣される可能性も高まるだけだ」

これはあるグローバルエージェンシーのCEOの発言だそうです。確かにひとつの見方のような気もしますね。でも、ちょっと誤解されやすい危険があるような気がします。かつての広告はよく戦略など後付けで考えればよかったといわれます。まず広告祭の審査員を驚愕させるような作品を作って、それから、その広告を展開する必然性を考えて、その広告がソリューションとなる問題をクライアントに提示するといった結果オーライの考えです。

著名なブランドコンサルタントであるアル・ライズ氏は広告業界でデジタルの金字塔といわれる「服従ニワトリ」は単に「服従ウシ」より面白かっただけだ、すなわち一過性の話題づくりに終わってしまったという主旨を述べています。バーガーキングは長らくマクドナルドの模倣を続け、たいして成果を出せずにいた中で、例のコマーシャルを打ち出したのですが、バーガーキングは長年の方向性を変更し、マクドナルドをまねた牛肉ではなく独自のチキン路線を追求していくと宣言した――とは人々から思われなかったのです。

コモディティ化の嵐と変化のスピードの中で優れた戦略、優れた作戦を考案し、実行するのは簡単ではありません。しかし、現代においてもどんなに優れていようと戦略なき作戦は、瞬間は上手くいってもしっかりした成功には至らないと思います。