今年もあっという間に師走となりました。「忙中閑あり」という言葉をもっとも感じることができる頃かもしれません。学生時代は「漢学」が苦手であったのでもっぱらこうした言葉には興味がなかったのですが、最近になって特に本当の意味の学問がないとダメだなあと思うようになってきました。
「忙中閑あり」は陽明学を学んだ安岡正篤先生が自分に適する処方箋として名づけた「六中観」の中にあります。今回のブログではこちらを紹介したいと思います。
忙中閑あり・・・ただの暇は退屈して精神が散じてしまう。忙中につかんだ閑こそ本当の閑である。
苦中楽あり・・・楽ばかりでは人を退廃させてしまう。苦しい中にこそ本当の楽が見える。
死中活あり・・・身を捨ててこそ浮かぶ瀬あり。
壺中天あり・・・人間にはどんな境地にあっても、自分だけの内面世界をつくりえる。どんな壺中の天をもつかによって人の風致が決まる。
意中人あり・・・志があり何か事を為そうとするならば、意中の人を持たなければならない。心に常に尊敬する人物をもつ。
腹中書あり・・・腹中に哲学、信念がなくてはならない。薄っぺらなものではない万巻の書がなくてはならない。
年末年始、皆さん有意義に過ごしましょう。