先日の夜「新興国・途上国ビジネスとリスクマネジメント」と題して行われた無料フォーラムに参加しました。その中で慶応ビジネススクールの岡田准教授が述べた新興国・途上国に向かう日本企業に求められる戦略感覚：５つの要素のお話は印象に残りました。日本中心主義から能力中心主義へ、地球規模の皮膚感覚、戦略的意図の重要性、共有価値の理解とアプローチ、心地よい領域から踏み出す覚悟というものです。
さて、最後の心地よい領域から踏み出す覚悟で感じたのは新興国・途上国ビジネスに限ったことではなく、イノベーション（新しい価値の創造）にも通じる考え方だということです。イノベーションは現状に満足する、つまり心地よい領域に留まろうとするとストップしてしまいます。「もうこの辺でいいか」と思ったら終わりです。
イノベーションは偶発的機会、混沌、すばやい実験の繰り返しから生まれ、革新的ソルーションは、最小の制約条件で低コストの実験を繰り返すことから見出されるといわれます。「委員会」を作っていてはイノベーションの道は開けないのです。無意識のうちにイノベーションを殺してはいないか、気をつけなければと思います。
