昨日、三田でビジネススクールの同窓会に出席しました。懇親会に先駆けて行われた講演会では塩川正十郎元財務大臣との対談を聞くことができました。そう塩爺です。８４歳とはとても思えない心意気あふれた方でした。モデレーターの質問に今、日本の政治の質が落ちているという真剣なアラームが発せられました。自民党も民主党もいかにキャリアが少ない議員の割合が多くなっているか、にもかかわらず平均年齢はそれほど若くない、むしろ諸外国の中で高いという事実です。
私が感じたのはこれはむしろ改革、改革と言って既得権益に固執したベテランの排除の反動ではないかとも感じました。ただいずれにせよ未熟な議員が多いという現状だということです。さらにここがもっと大切な点なのですが、「国益の議論がない」という問題です。塩川さん曰く、国益を忘れて個人の生活の問題ばかり、それが自己中心、日本の論理だけで政治をやっていることにつながり、結局日本離れ、日本の存在低下が起きているということです。「うぬぼれ」がいつしか孤立化につながり、第２次世界大戦の悲劇になった歴史を繰り返してはならないともおっしゃっていました。国会議員の最大の役割は長期の国益を生み出す施策を困難を乗り越え実行することなのですね。そのための手段としてあるときは人気を得なければならないのはわかっても選挙に勝つためだけにやっきになっていてはダメだということです。結局は国民のレベル、選んでいる私たちの責任になるのですが、一個人としてどうすればいいのか、講演を聞きしながらこんなことを思いました。
以前ブログでも紹介したグローバルエージェンシーのトップやP&GのCMOの話にも共通することなのですが「自らの本質の役割」をぶれずに持つこと。時代がどんなに混迷しようと自らのほんとうの役割をわかっている人はぶれない強さを持っています。そういえば先日佐藤尚之著新刊「明日の広告 アスキー新書」を読みました。この中で「広告は消費者のソルーションでなければならない」という考えが述べられています。（お勧めなのはとても読みやすく、東京から新幹線に乗って名古屋までに読めてしまいます）。私もブレなく同感です。
