来年の大河ドラマは坂本龍馬だそうです。半藤一利著「幕末史」の中で「維新」と呼ばれたものが、その実、志士や元勲と呼ばれた明治の偉人たちが幕末に繰り広げたのは徹頭徹尾、覇権争いと権力闘争に過ぎず、国家構想と呼べるものはほとんどなかった、と書かれています。私はそのようには思いたくないのですが、今の政治家やリーダーを見ていると同じ過ちを繰り返しているのではないかと危惧します。マニュフェストの根底にある思想をもっと出してほしいし、国民ももっと真剣に関心を寄せる必要がありますね。
さて、「歴史は繰り返す」という意味で広告やメディアの世界でも同じ例がたくさんあります。たとえば、かつてラジオが登場し始めた時、レコード会社は楽曲をラジオで流すことを禁止しました。ラジオでタダで聞かれてしまったらレコードが売れなくなってしまうと考えたわけです。ところがあるDJがラジオで流したことでレコードが大ブレイク、今度は各ラジオ局のDJには次から次とラジオで流してほしいとのリクエストが殺到したそうです。インターネットと既存メディアとの関係も随分同じような事象があったような気がします。雑誌や新聞はネットにコンテンツを小出しにするだけでしたし、TV局はYOUTUBEに敵愾心を持ってただ著作権侵害を訴えるばかりでした。まさに「歴史は繰り返す」です。今や、ネットはインフラとなり、馬鹿にする人はもはやいなくなりました。ネットに限らず世の中の変化に恐れず、無関心ではなく、もっと踏み込んでいくことで既存のビジネスを逆に強くすることもできるのです。
