2016年も残り僅かとなりました。毎年この時期に思うことですが、クリスマスから大みそか、そしてお正月と1週間足らずで街の雰囲気は一変します。案外日本人は気持ちの切り替えが上手なのかもしれません。
さて、今年もデジタルマーケティングの動向においてめまぐるしい変化が起きました。米国ではいよいよ従来のTV広告費がデジタル広告費に抜かれる臨界点に達しています。今回は来年の見通しについてテクノロジーストラテジスト、マイケル・ウルフ氏が「WSJDive」で述べた業界の展望について一部をご紹介したいと思います。
まず、驚いたことは今後3年間でグーグルとフェイスブックが、デジタル広告に対する新たな支出1ドルのうち75セントをおさえるようになるとのこと。2社以外でもアップル、アマゾン、ネットフリックス、マイクロソフトなどいわゆる「デジタル門番」がますます富を増やしていくだろうと予想しています。コンテンツ発見を支配する一握りの寡占企業がさらに力を強めて、個々のアプリメーカーはコストの増加や、消費者の減少に見舞われるようになります。さらに驚いたことがあります。それはフェイスブックが今年中にウェブトラフィック全体でグーグルを追い越すとみられると述べたことです。インターネットの変化を象徴する事象ですね。大手は大手で大競争に見舞われているのです。
そんな中で皆が次に来ると仕掛けているジャンルがメッセージング・サービスです。ウルフ氏によれば過去半年間で大手はこぞって何らかのチャットボットやメッセージングアプリもしくはその両方を立ち上げているそうです。現状のボッドはまだ発展途上ですが、AIの進展とともに、情報検索、コンテンツ提供、Eコマース、アラーム設定、企業へのリクエストや意見など急速な進化が見込まれます。
消費者にいかに接近するか、来年も柔軟な気持ちをもって臨まねばなりません。