今回は現代における情報の量と質について少し考えてみたいと思います。情報爆発によって人々に新たなニーズが生まれました。
ジャーナリズムの記事か、それともただのノイズか、その真ん中あたりか、事件をネタにしたセレブの意見を垂れ流しているだけのワイドショーや昨今のキューレーションサイトの引用や虚偽の記事などによってプロのジャーナリズムと素人のコメントの差がわからなくなりました。週末になると同じネタが何処も何度もコメンテーターを入れ替えて放送されています。人々のフェイクやノイズの発生に対する防御と情報の目利き力のニーズは間違いなくさらに高まるでしょう。
もう一つ情報の量と質について新たな視点があります。それは自分にとって意味がある情報であるかどうかです。これはTPOも含めてふさわしい情報だけがほしいというニーズです。ブランドで言うならば「高品質でパーソナルな体験」のニーズです。TVCMでも、アプリでも、写真一枚であってもこれを目指さねば埋没してしまいます。
ではその実現のために何が必要なのでしょうか。ひとつにはエコシステムの考え方が重要だと思います。J&JのCMOはAlexa経由でBabyCenterをいかにカスタマイズした体験として届けられるかをすぐ調べたそうです。CESやSXSWといったイベントが急激に脚光を浴びているのもひとつの業界でなく、コンテンツ制作、広告主、データ分析、プラットフォーム、エージェンシーが力を合わせて作り出す時代がやってきたことを示しています。