ブランディド・〇〇が花盛りです。まず、ブランディド・エンターティメント。この言葉は「映画やTV番組、ゲームなどのエンタテイメント・コンテンツと連動したブランドコミュニケーションの手法のこと」と一般的に定義されています。これが注目されるようになったのは消費者が広告を見なくなりつつある中、消費者がより関心を抱く魅力あるコンテンツがますます重要という考え方が背景にあります。
「手法」とある通り、この言葉が生まれるずっと前からこの手法はすでに存在していました。半世紀前の、007ゴールドフィンガーに登場したアストンマーチン、男はつらいよでとらやのみんなが飲んでいたビール、など今も記憶に残っています。インターネット時代に入った後、もっとも印象深かったのは2001年に登場したBMWフィルムズでした。まだ、スマホはおろかユーチューブすらなかった時代に全世界で年間1400万回も見られたと言われています。ガイ・リッチーをはじめとする7人の有名監督を起用した大迫力のカーチェイスのショートムービーでした。最近ではペプシマックスによる2012年から大ヒットしているオンライン動画アンクル・ドリューが秀逸です。アンクル・ドリューは若者たちのバスケに口を出す老人なのですが、なんとNBAスター選手が特殊メイクで老人に扮し、びっくりするスーパープレイをする痛快なストーリーです。ペプシコはこれをもとにした長編映画を計画しているとのことです。
次にブランディド・コンテンツ。こちらの定義はあいまいながら、「従来の広告の枠を超えてブランドと消費者と社会をつなぐメッセージをもった創作物」と私は考えています。ブランディド・エンターティメントで成功するにはタイアップにせよ自社制作にせよ相当な資金が必要で、そう多くの企業ではできません。一方で、ブランディド・コンテンツはアイデアと実現力があれば小ぶりであっても素晴らしいコンテンツを創れる可能性にあふれています。ジョンソン&ジョンソンの「7minute wellness」はその好例です。妊婦の健康管理をサポートするアプリですが、テクノロジーがドライバーとなって可能性を広げています。ビービーメディアはこの分野においても卓越したプロダクションになりたいと願っています。