2019年がスタートしました。世の中では忙しい一年になると言われていますが、荒れ模様ながらも光明が輝く年にしたいと思います。さて、今年がどんな一年になるか、アナリストや未来思想家などがホットなトレンドを発表しています。今回はその辺りを踏まえてブランドがとるべき行動について述べさせていただきます。
①もうひとつの価値交換
消費者は今までベネフィットの対価としてブランドにお金を支払っていました。ここにきてもうひとつの価値交換が生まれています。それが消費者自身のデータとそれに見合う消費者にとってのバリューです。今後、消費者はデータを無造作で出すことにより慎重になることでしょう。なぜならば、アプリやキャッシュレスなどから生成されるデータの影響を身近かに感じ始めたこと、一方でデータの扱い方、個人情報に対するずさんなアプローチに対して厳しい見方をするようになったからです。ブランドはこうした新たな認識に立たねばなりません。
②ソーシャルメディアに潮目
SNSのプライバシー、依存によるダメージ、不正利用、社会混乱のニュースが後を絶ちません。米国ではソーシャルメディアと縁を切る判断をする消費者が増えています。最近ある業界誌が行ったジェネレーションZに対する調査では18歳以上のフェイスブックユーザーの42%が2018年に数週間以上のネット断ちをしたことが明らかになったと報じています。全体としては今年も広告支援型のソーシャルプラットフォームはまだ伸びると思いますが、ブランドは消費者と同じくそこに無駄な労力と時間をかけすぎないよう注意が必要です。
③モノからコトだけでない
買い物客がほんとうに何を欲しがっているか、買い物客のバリューについてWalgreens社CMOのホリック氏は「重要なのはモノではなく、経済的に責任感を持った商品であるかどうか、ストレスの少ない生活をもたらすかどうか、自分・家族・コミュニティなど自分の世界にとって成長や幸せにつながるかどうか」と述べています。消費者のこの変化の根本には「自分の時間」のバリューを大きくしたいというニーズがあるような気がします。ブランドはただ体験を作るだけでなく、「幸せの体験」をデザインできることがより重要となるでしょう。
2019年は昨年以上にデジタルの中身が大きく変化していくのではないかと感じています。変わらないのはテクノロジーと人間性を見据えたアイデアからイノベーションを生み出せるブランドが成長を遂げていくことだと思います。