Brighten Brand Note - BBmedia inc. 社長 佐野真一のブログ

BBmedia inc. 社長 佐野真一のブログ

FORCE FOR GOODへの目覚め

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今年はコロナ禍、熱中症ゲリラ豪雨に気を配りながらの特別な夏となりました。多くのみなさんもお盆休みを近場で過ごされたのではないでしょうか。これから今度は大型台風が心配なシーズンに入ります。

4~6月期の企業業績から読み取れるのはブランドや企業に「記録的な成長と記録的な低迷」が同時に起きていることだと思います。我慢や自粛によって当たり前に消費されていた商品やサービスが消滅する一方でニューノーマルに合致した商品やサービスが急激な伸びを示しました。ユニリーバ社の統計によれば、世界中で多くの人はコロナ前と比べて家の掃除を2倍するようになったそうです。米国cloroxの消毒用wipeはいまだにアマゾンやほとんどの店で見つからないほどです。そこでcloroxはwipeを手に入れられない消費者のためにきれいに消毒するほかの方法を示す動画を作りました。

6月のカンヌクリエイティブアワードは中止となりましたが、縮小しつつもいくつかの講演がオンラインで行われました。その中でのキーワードのひとつがForce for Good(社会の力になる)です。消費者は今ブランドに何を求めているのか?答えとして①共感できる信念を持ってほしい②正しい行動をしてほしい③世の中に今必要とされる商品・サービスを提供できるようにシフトしてほしいの3つが取り上げられていました。コロナ禍にあってもうひとつあるとすれば①②③を迅速にやってほしいのではないかと感じています。

先週4夜にわたりNHKBS1スペシャルとして「新型コロナウイルスの影響で世界はどう変わるか」をテーマに地理学者のジャレド・ダイヤモンド氏、歴史学者のエマニエル・トッド氏、ジャーナリストのナオミ・クライン氏、経済学者マリアナ・マッツカート氏のインタビュー番組が放映されました。時代にふさわしい著作を出版している4人からそれぞれの視点でとても興味深くかつ私たちに行動を促すメッセージをもらいました。

その中でジャレド氏が示した「イースター島の先住民は最後の1本のヤシを切るときどんな言葉をつぶやいたのか」の問いかけは実に重かったです。イースター島の先住民は食料の枯渇、環境変化(降水量の変化や表土の質の劣化など)、伝染病によって滅びたそうです。今、人類が直面しつつある現象のまさにミニチュア版と言えます。新型コロナウイルスは容赦なく人類に猛威を振るっています(8月22日現在で感染者数2272万人、死者数79万人以上)。おそらくは感染者数、死者数ともにワクチンが出回るまでもっと増えていくでしょう。しかし、ジャレド氏は気候変動に伴う環境変化はそれどころではないと言うのです。やがて人類の半分が地球に住めなくなるかもしれないと、、。

ドイツのメルケル首相は今回のロックダウンに際して「戦後これほど市民による一致団結した行動が重要になるような試練は初めてです」と国民に呼びかけました。今多くの人々が経験している我慢や自粛は「無限の消費と自然からの略奪」を続けていくことが許されなくなる近未来の先駆けとなるかもしれません。となると企業やブランドもより真剣に取り組まねばならないのは当然です。

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