Brighten Brand Note - BBmedia inc. 社長 佐野真一のブログ

BBmedia inc. 社長 佐野真一のブログ

消費の最適化は善

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映画「不都合な真実」が公開されてから15年が経ちました。2007年に行われたカンヌ国際広告祭にちょうど参加していたので当時「グリーン・ライオン」を送られたアル・ゴア氏がスピーチで広告業界人に対してもっと世の中に善=GOODを伝えるパワーを発揮してほしいと述べたことをよく覚えています。北極の氷河が崩れていくビジュアルは実にショッキングでした。しかし、その後はどうなったか、「大人の事情」によって遅遅として進まない状況にグレタ・トゥーンベリ氏が2019年国連で行った演説は不作為の罪に対する痛烈な訴えでした。

そして今、一気に潮目が変わりました。先週米国主催の気候サミットで欧米が打ち出した温暖化ガス削減幅(2010年比)では約50%、日本は42%、外圧を受けて日本も2050年までの「脱炭素社会」の実現に向けたロードマップを決定しました。2030年度までに、全国で少なくとも100か所で先行して「脱炭素」を達成し、各地の先進的な取り組みを全国に広げるとのこと、本当は原発なしで2050年を待たずに「脱炭素」を実現できたらと思います。

脱炭素社会の実現にはまず各国のエネルギー政策の大転換が必要ですが、企業や個人にとっては地道にできるボトムアップな活動があります。それはSave=節約という行動です。消費自体を抑えることはエネルギー使用を減らすことにつながるからです。3R(Reduce, Reuse, Recycle)、「もったいない」の心です。日本人は昔から「使いきる」ことを美徳としてきました。しかし、これだけだと経済を萎縮させてしまう恐れがあります。ではどうすればよいのか?新技術や新発想による「省エネ」性能向上こそもう一度注目すべきと考えます。なぜかといえば、我慢や苦痛を生じさせずに「知らず知らずのうちに、楽してエネルギーの使用を抑えることができるからです。日本が昔から得意とする分野です。現代ではAIやセンサーを活用して「Save=(節約)を楽にできるようにする」は大きな社会ニーズだと感じています。

たとえば、一般家庭で一人が1日で使う水の量は219L(東京都水道局平成27年調べ)、2Lペットボトルで約110本、そんなに使っている実感はありませんよね。なんと米国人では最大一人1日500Lものの水を使っているといわれています。そんな中、今年のCESでP&G社が「50Lホーム」(1日50Lで生活する)という体験プログラムを披露しました。また、ロレアル社は水滴を10分の1にする技術を持つ会社と組んで「L'Oreal Water Saver」を発表しました。大量の水を使う美容院で水の使用量を客に合わせてパーソナライズでき、水の使用量をなんと80%節約できるそうです。日本勢ではTOTO社が家庭の水の全使用料の約20%を占めるトイレの節水イノベーションを披露しました。

今、ブランドにとってイノベーションによる「Help Saving Easy:消費の最適化」のコンセプトは三方良しを達成する新たな切り口と言えます。

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