Brighten Brand Note - BBmedia inc. 社長 佐野真一のブログ

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東京2020開会式を見て

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開催の是非をめぐってこれほど世論が割れ、一方、パンデミックが収まらない中、これほど世界が注目するオリンピックは史上初めてではないでしょうか。2020東京オリンピックパラリンピックが感染拡大を抑えつつ、最後まで無事にしっかり行われることを切に願うばかりです。

さて、みなさんは昨日(7月23日)の開会式(オープニングセレモニー)をご覧にななられたでしょうか。極めて個人的な感想ですが、テレビ(おそらく世界中の人々と同じ)で見る限り、間際までのトラブル続きに屈せずよくここまでやったと感じました。オープニングセレモニーとして日本のプレゼンスと人類共通のテーマを上手くマッチングできた演出でした。競技場内の聖火ランナーの姿から過去・現在・未来の日本の在り様をしみじみ汲み取ることができました。また、持続可能な社会を目指すことを意識したドローンで描いた青い地球と大会エンブレム、水素を燃料とした聖火台などは共通メッセージになっていたかと思います。当初からのコンセプトである「多様性と調和」、「未来への継承」、「全員が自己ベスト」は苦難の末の開催によって内なる秘めた力が増したように思えました。であれば改めてエールを送りたいと思います。

今回アスリートが目指す「より速く」、「より高く」、「より強く」の言葉に新たに「一緒に」(Together)が加わりました。それは何といっても前回のリオデジャネイロから5年が経過して世界が変わったことを表しています。コロナによるパンデミックは強者と弱者の差をより大きくしました。現状ではワクチンの有無がそのまま感染拡大による医療崩壊や経済ダメージに直結してしまっています。また、貧困や差別だけでない人権問題、さらに気候変動問題などが深刻さを増して一気に吹き出しています。これらの諸問題は多くの国々や人々が一緒に取り組まなければ解決しないことです。「一緒に」は言うは容易いですが行うは難しです。その中で難民選手団の参加は一石を投じていますね。しかし、物理的な交流が大きく制限されている今大会では残念ながら難しいと言わざるを得ません。

もう一つここで忘れてはならないことがあります。それはポジティブなレガシーをいかに残すかです。オリンピックをブランドとして考えるならば、オリンピズムによって人間の尊厳を元にした平和な社会の推進をスポーツを通じて達成することが普遍的な使命と言えます。今、世の中ではたとえ小さなブランドでさえもより社会性を意識した形に変貌しつつあります。であればオリンピックは東京大会を契機に原点に立ち戻り、パーパスを問い直し、軌道修正していくことが必須かと思われます。おそらく、従来の行き過ぎた商業主義(米国のTVの放映スケジュール優先など)から脱皮することも考えてみたらどうでしょう。