昔から日本ではよく「お客さまは神様です」といわれてきました。これを英訳すると「The customer is the king」となるようです。一方、P&G社の前CEOであったA.ラフリー氏は「The consumer is boss」と呼びました。日本語にすると「お客さまは上司です」といったところでしょうか。私はこれを「消費者が決定権を持つ」と理解しています。
神様が消費者だとすれば、1対１の関係になりがちです。しかし。BOSSに対しては組織全体で対応しなければなりません。日本企業が消費者に対して窓口だけで対応し、企業全体として対応できないのはこうした考え方が根っこにあるのかもしれません。マーケティングを組織力としてのパワーにつなげること。とりわけ以前も述べたマーケティング３．０にあるように消費者との交流を多数対多数の協働と位置づけて、盲目ではなく、マーケティングを一歩外側から客観的に見ることができる力がこれからは必要です。
ただし、消費者をどのように捉えようとも「The customer is always right お客さまは常に正しい」というポリシーを健全に保つことこそ大切だと感じます。
