表題Life after the 30second Spotの邦訳本が先月出版されました。「３０秒コマーシャルのあとにくるもの」というタイトルですが、翻訳本では「テレビCM崩壊」となっています。内容はマス広告の終焉と新しいマーケティングの方向、そして最近登場してきている１０のアプローチ事例（インターネット・ゲーム・オンデマンド視聴・体験マーケティング・検索・長編コンテンツ・SNS・CGC・モバイル・ブランディドエンターティメント）などが書かれています。昨年、原書を入手しパラパラとめくったところでは、結局事象の解説とすでに起こっていることだけをまとめたものだなあとの印象でした。ただ、翻訳されたタイトルと中身を改めて読み返すと「変に誤解する広告主」が出るのではと危惧してしまいます。なぜならば、まだこれからどうなるか誰にもわからないことだからです。今、起こっているコミュニケーションの変化は広告という狭い業界にとどまらない凄い潮流なのです。我々にとって不安なのは従来のマス広告（TVに限らず）のパワーがダウンしていく中で、それに変わるビジネスモデルがまだ確立されていないことです。しかし、変化のあるところにはチャンスありということを忘れてはなりません。変化をただ「脅威」としてとらえるか、それとも｢チャンス」としてとらえるか。会社にとっても皆さん一人一人にとっても重要な分岐点です。
