以前ブログに書いた「仕事は人がするのではなくて人の性格がするものだ」、これは父親から教わった言葉ですが、個人についてではなく企業で考えるとき、性格というよりも体質という言葉のほうがフィットする気がします。今回は企業体質について少し考えてみたいと思います。「体質とは」を辞書で調べると「すべての精神的・肉体的な体の性質。遺伝的要因と環境要因との相互作用によって形成される」と書いてあります。橋本忠夫著「変革型ミドルのための経営実学」によれば、繰り返し行動の継続が体質を作る、組織で言えば基幹業務のポジションを明確化し、繰り返し業務を徹底することが組織体質の強化になる、企業体質を変える必要が出た場合には、繰り返し業務のやり方を変え、新しいやり方を徹底して継続する必要がある、と指摘しています。ここには重要な２つの意味があると感じました。つまり、強い体質を作るためにやらなければならないことと体質を変革すべき時にやらなくてはならないことを区別することです。多くの人間は楽をしたいと思っています。つまり、変わらないほうに力が働きます。ところが放っておくと環境の変化に適合できない悪い体質のほうに流されてしまうことになります。企業のトップや幹部は強さと柔軟性の両立を目指して、悪い体質にならないよう常にコミットメントしなければなりません。
