中部電力の浜岡原発が停止しました。発表が唐突との批判がありましたが、この決断にはエールを送りたいと思います。万が一東海沖の大地震が起きたら福島の二の舞になるリスクはこれで少し和らぎました。一方で、東京電力管内だけでなく、日本全体に節電の必要性が増すことになります。今、思っていることが2つあります。ひとつは今まで以上に明るく、そして厳しく日々をすごすということです。太平洋戦争に日本が突入するとき、妙な楽観主義が日本国内にあったのではないでしょうか。それは、日清戦争で大国中国を、続く日露で列強ロシアを、第一次世界大戦では漁夫の利でドイツを破ってきたから、強敵だけれどアメリカ相手でも何とかなるのではないかという空気です。今回の震災でもし日本人が同様のことを思っているとしたら、それは危険だと思うのです。日本の国力が勢いを失ってきたときに起こった震災であり、津波による地震だけとは異なる甚大な被害。今までと同じ程度の頑張りでは復興は簡単ではないと思います。1.5倍ぐらいの気合を持たないといけません。天災なのですから、皆で乗り越えていく正のエネルギーを高めることがもっとできるはずです。
しかしここでもうひとつ難しい問題があります。言うまでもなく、原発事故です。これは今後ボディブローのように効いてくる恐れを持っています。FUKUSHIMAは外国人から見れば、チェルノブイリと同じに見られつつあります。なんと悲しいことでしょう。そしてエネルギー政策の転換は短期的には節電による経済へのブレーキが避けられません。車でたとえるならば、スピードを出せといわれてもサイドブレーキをかけながらアクセルを踏んでいるようなものです。こちらは今まで以上に知恵がなくてはダメです!1.5倍の気合で明るく、厳しく、そして新しい知恵を出していかねばならない時だと思います。