Brighten Brand Note - BBmedia inc. 社長 佐野真一のブログ

BBmedia inc. 社長 佐野真一のブログ

個人の財産

前回のブログで書いた「情報支配の変化」、「情報価値の変化」、「新しい情報技術による新しい組織の形態」はインターネット時代の到来とともに大きな変化が起きつつあります。ネットは個人に力を与え、政変をも起こすようになりました。また、ありきたりの情報はコモディディ化するとともに、パーソナライズ機能によって、オーダーメイドの服を作るがごとく便利な情報サービスが続々登場しています。新しい組織にしても縦型からよりオープンでネットワーク型への移行も始まっています。おそらくこうした動きは今後もより進んでいくでしょう。

そんな中でひとつ気になることがあります。それは個人のプライバシーについてです。イーライ・バリザ氏が書いた「The Filter Bubble - What the Internet is Hiding from You」によれば、今起きているネットの個人化は、オーダーメイドで自分の好みに合わせたスーツを作るのとは違い、むしろ脅迫文を作るのに似ているとのこと。匿名から実名になって、さらに顔の検索機能が加われば、ほぼ個人のプライバシーも残らないだろうとの見方もあります。

「セレブの写真を勝手に広告に使うことが違法なのに、なぜフェイスブックは何かを売り込む際に勝手にあなたの名前や推薦を用いることができるのか」

便利さの陰でこうした素朴な疑問になかなか答えられないような気がするのは私だけでしょうか。9月に発表されたFACEBOOKの新機能では「摩擦のない共有」と謳われました。しかし、FACEBOOKのプライバシー設定は非常にわかりにくいと思います。

パリザ氏は「個人のデータは各個人に属する財産である」という根本認識を持つ必要があると述べています。10年前から個人の住所や名前など個人情報の保護が叫ばれてきた一方で共有情報については新しい技術に追いつかず、妙に甘くなったと感じています。