昨年末はいつもより休みが多く、おかげで書棚の整理ができました。自分が付箋をつけた雑誌や書籍、諸先輩からいただいた広告の名著などを読み返すと今も新鮮な感動を得ることができるものですね。また、10年経っても今でも使えるようなレポートもあったりして驚きます。今回は1998年5月にレポートしたブランディングについての基本的考え方を再び書いてみたいと思います。
今年は多くの報道にあるように時価総額に重きを置きすぎた金融資本主義は破綻し、今まで経験したことのない急激な経済の落ち込みの最中にいます。山高ければ谷深しと以前からいつかはこういう事態が起こるのではないかと危惧していましたが、ほんとうに起こってしまいました。「強欲」な資本主義は反省されて、新しい主義の風が吹くでしょう。すでにグリーンやコーズマーケティングは話題となっていますが、オプションではなくスタンダードへの転換の年になるかもしれません。ただ、一方で派遣社員のCUTに見られるような雇用の責任のほうがもっと重大なのではと感じたりします。 いったいどこに企業の社会的責任があるのか、果たすべき優先順位の役割は何かが改めて問われる一年になるとも思います。ただ、このような状況だからこそ再びブランディングの原点を忘れず、改めてしっかり目指す座標を見据えなければならない気がします。
①ブランディングの目的 ブランドを通じて顧客の「喜び」の総量を大きくすること
②ブランディングとは 顧客の「喜び」を大きくした結果を企業の財産にしていく仕組みとしてのブランドづくり、ブランド育成
③顧客から見た強いブランドのレベル
0:顧客に「信頼できる、間違いない」と認識されているレベル
1:顧客に「嬉しい、落ち着く」など精神的な満足を与えられているレベル
2:顧客に「自分らしさ、自分が選んだもの」といった自己表現と結び着いているレベル
3:顧客に「いつも新しい発見がある、いつまでも飽きない」と認識されているレベル
★:顧客に「自分を高めてくれる、パートナーである」と尊敬されているレベル
ブランディングはこうして見ると果てしなく一生を懸けても惜しくない仕事だと思いますね。