Brighten Brand Note - BBmedia inc. 社長 佐野真一のブログ

BBmedia inc. 社長 佐野真一のブログ

幸之助の遺言

今、日本は国家システムの大転換を図ろうとしています。政治の役割も「国が何をしてくれるかではなく、地域の皆さんが本気になって社会を良くして行こうと取り組もうとしているとき、その障害を取り除くこと」という軸に移そうとしています。

しかし、今まで実は地域主権国家を目指すと言われてもあまりピンときていませんでした。自民党が唱えた道州制とどこが違うのか、中央集権で何がそんなに問題なのか、先週、経営者の勉強会で教わったことがあります。それは松下幸之助の遺言です。もう30年以上も前に彼はこう言ったそうです。「このまま放置すると中央集権が進み、官僚がはびこり、日本は大変な重税国家になる」 高度成長時代に今の日本をすでに予言していたのです。その元凶のひとつが「中抜き」です。国から地方に予算が落ちる今のやり方では最終末端の実行組織にたどり着く前に何十%も政府系機関やその他に抜かれてしまうそうです。

少々乱暴ですが、現在の国家予算が70兆~80兆、そのうち30兆がくだらない使われ方をされているというのもこうした考え方からきているのだと思います。やっかいなのはこれが長年のシステムで内輪通しではお互いに恩恵を得られるように作られていることです。でもこのまま続けていては国家がもたないところまできています。

そういえばこの話をあるクライアントさんと話していた際に、別の逸話を教えていただきました。京セラの稲盛さんがかつて松下さんへの部品納入価格の件で、「もうこれ以上は無理です。血のしょんべんが出るくらいです。何とかこの価格でお願いします」と幸之助さんに談判したところ、「そんなに無理せんでもよいですよ。他から仕入れるから心配せんな。」と取引がなくなったそうです。稲盛さんは今も松下幸之助を大尊敬されておられるそうですが、このとき自分のコスト意識がいかに甘かったかを思い知ったそうです。