「そんなことは起きるはずがない」、日本人は思い込むと妙に楽観的に考える習性があるような気がします。この10年間、日本でもサプライチェーンマネジメントをはじめとする効率経営が推し進められてきました。コストを下げるための集中発注、取引先の絞込みもその代表のひとつです。コスト効率はもちろん重要ですが、一極集中によるリスクが忘れられたのではないでしょうか。私たちの業界でも今回の被災でHDテープが手にはいらないという事態となっています。自動車から食品に至るまで部品その他、製品を作るのに欠かすことができない部材を作る工場が被災したためあちらこちらで生産に支障をきたしています。これもまた大震災の教訓のひとつでしょう。電力についても過去小規模発電は発電コストが高いとして積極的ではありませんでした。実は事故があった福島第一発電所から７０KMに規格外の木材や廃材を燃料とするバイオマス発電所というのがあるそうです。これが今、修理を終えて11500KWのフル稼働を続けているとのこと、焼け石に水かもしれませんが、被災地からの建築廃材も受け入れられることを考えると頼もしいなあと思います。「集中と分散」、常に見直されるべきテーマですが、今、危惧しているのは東京の一極集中です。
