Brighten Brand Note - BBmedia inc. 社長 佐野真一のブログ

BBmedia inc. 社長 佐野真一のブログ

モバイルなのにリーンバック

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モバイルとテレビの違いのひとつはリーンフォワード(身を乗り出す)かリーンバック(後ろにもたれる)かと言われます。確かに画面が小さく、指で操作するのですからモバイルは前のめりになります。一方、昨今のテレビは大型化してすべて手元のリモコンで操作、ソファーに座って観るイメージです。SNSの多くも当然モバイルが中心でありリーンフォワードです。

このことは動画広告を考えるうえで面白い視点のひとつです。まず、人間の集中力との関係があります。テレビは番組の間や前後にコマーシャルが流れます。つまり、コマーシャルが流れる時は解放されたオフの状態、一方ネットではこちらから情報を探そうと集中している中で動画広告が現れます。当然ながら拒否感が強くなります。さらにSNSではユーチューブ、フェイスブックツイッターなどそれぞれ特徴を持ったプラットフォームで操作性も異なり、ふさわしい動画広告も違うはずです。

そんな中で注目されるのがスナップチャットです。日本ではなじみがありませんが、世界でのデイリーユーザーは1億6千万人、フェイスブックの12億人に比べると小さいながら米国の10代の若者に絶大な支持をされています。フェイスブックはスナップチャットをライバル視して同様の機能を追加しています。なるほど、スナップチャットはフェイスブックアプリと比較すると半分の手順で動画を投稿できます。

このスナップチャットのもうひとつの特徴ですが、テレビのようにリーンバックで見られていることです。スワイプを基本とするスナップチャットのインターフェイスは友達のストーリーやメッセージをぼんやり見るのに最適で、好きなストーリーを連続して見られるモードもあります。

モバイルはリーンフォワードと決め込んでいた自分にとっては衝撃でした。ユーザーはスナップチャットで流れる5秒~10秒の動画広告にあまり苛立たないとのこと。皆さんもぜひその理由を発見してみたらいかがでしょうか。

スポーツファッションに学ぶ

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今、米国のショッピングモールは転換期を迎えています。アンカーストアといわれるMacy'sやKohl'sなども次々と閉店、絶滅する恐竜のイメージとさえ言われています。ニューヨークの旗艦店が百貨店世界一の大きさを名乗るMacy'sは今年1月数年内に100店を閉じると発表しました。日本でも銀座のプランタンが閉店したり、地方の百貨店の閉店が続いています。

ここですぐに浮かぶのは百貨店が冴えないのはネットショッピングにやられているに違いないと思いがちです。確かにそれもあるかもしれませんが、実は全米のネットショッピングは全小売支出のまだ9%にとどまっています。そういえば、ウォールマートがネット販売に本気になっている反面、アマゾンはリアル店舗を逆に開設しました。消費者は今もオンラインの便利さとは別に人間的なつながりを欲しているとの調査も出ています。

それでは現在の小売に問われている最大のチャレンジとはいったい何でしょうか。リアル店舗で勝負するにはデジタルの世界とシームレスに連携すること、他では得られない体験を提供すること、一歩先の「ハイテク」×「ハイタッチ」なパーソナルな対応がポイントとなると思われます。

ナイキ、アディダスアンダーアーマー、ノースフェイスなどがしのぎを削るスポーツファッション業界はまさにそのショーケースです。より高機能かつデザイン性がある商品を開発しながら潮流である運動の善(健康)を最大限に追い風にしています。靴やシャツのカスタマイズサービスを店内でも行うナイキ、スポーツウェアからヘルスケアまでデジタルでつなげようとするアンダーアーマー、こうしたブランドから多くのことを学ぶことができます。

スマホと健康:ポジとネガ

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日本人の寿命は先進国でもトップクラスです。ところが健康寿命はそれほど延びていないそうですね。運動や食生活は人の健康にとって大切なテーマ、スマホのアプリも数えきれないほどあります。靴やウェアで運動データをモニターしたり、毎日採っている食事から足りない栄養素をアドバイスするソフトまでデジタルはここでもさまざまな形でサポートしてくれます。

一方、意外に忘れられていることがあります。それは睡眠です。人のパフォーマンスに睡眠はかなり影響を及ぼしているという科学的研究が進んでいます。睡眠を科学する高機能マットレスも登場しました。けれどもまだ現代人は睡眠不足をさほど重要ではないと誤解しているようです。

実は4月になって新しい習慣に挑んでいます。睡眠アプリには気の毒ですが、それは「スマホを寝室に持ち込まない」ことです。現代人は一日平均150回もスマホを起動させるというデータがあります。無意識のうちに自分自身よりもスマホのケアばかりしています。米国では70%の人が、寝るときもスマホをベッドのそばに置いているそうです。

寝るときはきちんとあかりを消すこと。デジタルデバイスをすべて切って寝室の外に置くこと。スマホからのしばしの解放、きっと気持ちが安らかになるのでは?

何故CESやSXSWなのか?

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今回は現代における情報の量と質について少し考えてみたいと思います。情報爆発によって人々に新たなニーズが生まれました。

ジャーナリズムの記事か、それともただのノイズか、その真ん中あたりか、事件をネタにしたセレブの意見を垂れ流しているだけのワイドショーや昨今のキューレーションサイトの引用や虚偽の記事などによってプロのジャーナリズムと素人のコメントの差がわからなくなりました。週末になると同じネタが何処も何度もコメンテーターを入れ替えて放送されています。人々のフェイクやノイズの発生に対する防御と情報の目利き力のニーズは間違いなくさらに高まるでしょう。

もう一つ情報の量と質について新たな視点があります。それは自分にとって意味がある情報であるかどうかです。これはTPOも含めてふさわしい情報だけがほしいというニーズです。ブランドで言うならば「高品質でパーソナルな体験」のニーズです。TVCMでも、アプリでも、写真一枚であってもこれを目指さねば埋没してしまいます。

ではその実現のために何が必要なのでしょうか。ひとつにはエコシステムの考え方が重要だと思います。J&JのCMOはAlexa経由でBabyCenterをいかにカスタマイズした体験として届けられるかをすぐ調べたそうです。CESやSXSWといったイベントが急激に脚光を浴びているのもひとつの業界でなく、コンテンツ制作、広告主、データ分析、プラットフォーム、エージェンシーが力を合わせて作り出す時代がやってきたことを示しています。

 

事実は真実とは限らない

このところフェイクニュースが大きな話題となっています。また、アメリカ政府の高官が「オルガナティブファクト」があると述べて物議を醸しました。インターネットの社会では事の真偽はさておきあっという間に広がってしまうのであとからあれはホントでなく嘘だったといっても影響は大です。

フェイクニュースとは別の問題もあります。デジタル、とりわけソーシャルメディアではいつの間にか自分好みの考えを持った事実が優先的に入ってくるようになるといわれます。フェイスブックシェリル・サンドバーグ氏は昨年秋のNYで行われた講演でこんなことを述べています。

「FBではニュースに対するコントロールはしません。あらゆる考えとニュースに対して、オープンなプラットフォームです。ニュースを統制しているのではないか、という不安があることは知っていますが、我が社はメディア企業ではありません。見出しになるニュースを決めるチームはありません。アルゴリズムが、その人の履歴にもとづいて、広告を決定するのです。けれど人々が本当に気にしているのは、むしろフィルターバブルのことだと思います。ソーシャルメディアでは結局のところ、自分の視点に合った情報ばかりが集まるので、偏極するのではないかと。」

実際にはどうでしょうか、彼女はこうも言っています。「社会学者の調査によると、人間のネットワークには強い絆と弱い絆があり、人はたいてい6人と密接につながっています。配偶者や家族など。そしてFacebookは、それ以外の人の意見を聞く力になるのです。本来だったら、話す機会はないような人の意見も入ってきます。耳に入る声の幅が広がるのです。」

ファクト(事実)はひとつであっても見方によって意味を変えてしまいます。人は事実だけに目を奪われすぎると真実を見失ってしまいます。インターネットによって世界中の夥しいファクト(事実)を目にできるようになっても実は一部しか見ていないことを忘れてはいけませんね。最後にブランディングにおいてファクト(事実)を考える時、WHAT TO SAY(何を言うか)のコンテキスト(文脈)がまずあってそれにふさわしい事象を選ぶことが肝要だと思います。

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スマート化第2章へ

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ひと昔前スマートといえば「スリム、痩せている」でしたが、今は「賢い」という意味にすっかり変わりました。なんといってもスマートフォンスマホ」の影響でしょう。スマート化はいたるところで進んでいます。ウーバーの場合はドライバーがスマートフォンを所有することに目をつけて車をスマート化しました。イオビーム(Iobeam)の共同創業者でCEOアジャイ・クルカルニ(Ajay Kulkarni)氏は「人はウーバーのことをネット対応の車だとは考えない。サービスとしての交通手段だと考える」と述べています。

IOTの必須要件はインターネットに接続することですが、そこにAIが加わったことでスマート化のステージが変わったと感じています。アマゾンの「Echo」ではふと思いつく簡単なオーダーであれば近いうちに何でも応えられるようになるでしょう。実際にアレクサの女性の声によるサービスが日本で始まるとブランドはうかうかしていられません。消費者に名前を憶えてもらうことが再び重要になるはずです。なぜなら名前がでないとアマゾンのおすすめが買わされてしまうからです。

先日スターバックスが発表した「My Starbuck's Barista」のベータ版はブランド自身が行うスマート化第2章のサービスです。デモの映像を見たところ、チャットボット機能を備え、アプリを通じて音声認識のチャットかテキスト入力で複雑なマニアチックな注文も受けられるサービスです。現在はテスト中ですが、夏から米国で本格的なサービスを開始するそうです。こうしたサービスでも始まるとあっという間に当たり前になってしまうのが今の世の中です。

ネット対応によってモノを単にスマート化すると考える発想から、スマート化はサービスの一要素だと理解する発想にシフトする中、ブランドはますますサービス・ファーストの思想を持たねばならないと感じます。

 

 

ビッグよりスモール

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広告界で知らない人がいないであろう往年のキャンペーンに「Thinkスモール」があります。米国で大型のビッグな自動車が主流だった1959年、まだ敗戦国のイメージが残っていたドイツの小型車フォルクスワーゲンですが、見かけよりも中身、人の生き方やモノの見方の差別化を見事に表したものでした。
データの世界はどうでしょうか。現在もてはやされているビッグデータは確かに貴重なインサイトを提示しますが、ウェブは私たちの本当の姿ではなく、それをキュレーションして理想化したものです。ビックデータとAIを活用すれば「パターンを見つけて何かを解き明かすこと」は人間以上のパフォーマンスを発揮すると思います。最適化はアルゴリズムにまかせるほうが良いでしょう。しかし、その発見の中に何を持ち込むか、それを行うのは人間です。

昨年出版されてマーケティング本として高い評価を受けているマーチン・リンドストローム著の「SMALL DATA」では、著者がロシア、中国、ブラジル、サウジアラビア、オーストリアなど各地に足を運び、様々な問いの答えを探しています。中国人はなぜベッドカバーを使わないのか。冷蔵庫に貼るマグネットに対するロシア人の愛着にはどれだけ大事なことなのか。ヨーロッパに住む10代の少女は毎朝6時から6時半まで何をしているのか……。ビッグデータでいっぱいになったプールの中では、人々の生活に関するヒントがたいてい日の目を見ずに埋もれているのです。たくさんのデータが得られるようになるとさらにヒントは埋もれてしまうに違いありません。

人は常に不可能なことを夢見てそれをできるようにすることを考えてきました。ブレイクスルーを目指すならば、意味のあるスモールデータを探してそれをビックデータと結び付けるほうがよさそうです。