Brighten Brand Note - BBmedia inc. 社長 佐野真一のブログ

BBmedia inc. 社長 佐野真一のブログ

「ポチッ」:新たな視点

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ブランドは何で記憶されるのでしょうか。古典的には、ブランドの外見や特徴、ブランドキャラクター、名前、ロゴ、広告物、口コミなどによって人に覚えられると言われてきました。ブランドをあらわすビジュアルデザインといっても目的の違いによって以下の如くさまざまなものがあります。

ロゴ:「ロゴタイプ」の略。会社名・商品名などの文字を特別にデザインしたもの。意匠文字。

シグネチャー:署名のこと。意味は(認定、特徴、代表的な)等。たとえば、MasterCardコーポレート・シグネチャーはビジュアル・アイデンティティを表わす。

トレードマーク:1 登録商標。商標。2 対象を特徴づける独特の外見。

アイコン:もとの対象の形を(一部にでも)とどめる記号。イコン。コンピュータで、画面上のそれを指して選ぶことで操作が指図できるように、その指図にちなむ形を表した図形。

そして今、スマホスマートテレビの普及によってブランドをあらわす新しいビジュアルデザインが登場しました。それはブランドボタンです。何故かというとスマホユーザーの全使用時間のうちなんと88%がアプリケーションを起動しているという事実からわかります。フェイスブックやユーチューブボタンは製品・サービスの名前イメージであり、外見イメージであり、なによりもスイッチONのデザインなのです。

ただ押すことによって動作するスイッチの一種だったボタンはデジタルの世界でブランドを記憶させる新たなファクターとなりました。

ホンカツ

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現在ユーチューブではなんと毎分300時間の動画がアップロードされています。今やユーチューブ最大の強みは一方で最大の弱みとも言えます。なぜなら人々はユーチューブ内で情報を探し回ろうとせず、ファイスブックのフィードを参考にしたり、テレビ式の番組ならばNetflixやHuluに直接行ってしまうようになりつつあるからです。

人々のこうした行動の変化はどこから生まれるのか、それは「無限の情報と有限の時間」の差の広がりがさらに大きくなっているからだと思います。いくら情報をまとめてくれても追いつかないのが現状ですね。

さて、そんな中で今回は昨年から始めた活動をひとつご紹介したいと思います。それは読書会です。就活、婚活のゴロ合わせでメンバーの有志が「ホンカツ」と名付けてくれました。月1回幹事が決めた課題図書を事前に読んできて皆でその本をネタに議論するというシンプルなものです。何を今更と思われる方も多いのではないでしょうか。始めた理由はいくつかあります。大きくは若手メンバー自身の思索力の向上とメンバーそれぞれの考え方や見方をお互いに知ることです。簡単に情報が手に入り、効率が問われる時代、それでも良書は人生を変えるパワーを秘めています。その醍醐味を知らないことは不幸なことです。

なかなか業務に追われて参加者が少ないのですが、人数が少ない分「深く濃い」時間となっています。

目標はシェア

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シェア(市場占有率)だけでなくシェア(共有)の時代がやってきました。

英国のUnruly社が発表した昨年もっとも世界でシェアされた広告はアンドロイドのFriends Fureverでした。その数なんと643万シェア。ビュー数と比べてシェアの確率がきわめて高いといえます。

日本にまもなく上陸すると言われるバズフィード(Buzzfeed)では訪問者の75%がシェアできるコンテンツを探しに来ているとのこと。シェアの研究から見えてきた共有されやすいコンテンツには以下の特徴があるそうです。

1. 自分事に思えるモノ
2. 面白くてユーモアがあるモノ
3. タイミングに合わせたモノ
4. 他人と同じ感情を抱くモノ

ニールセンによればデータを使って最適なタイミングを見計らってのポストはそうでないモノと比べてリーチが91%増加し当然シェアも上がる結果が出たそうです。さらに、SNSのプラットフォームによってシェアする動機づけも異なります。たとえばFacebookアイデンティティPinterestは未来にやりたい・なりたい自分、Twitterはリアルタイムなどです。

 シェアに値するコンテンツを作るにはブランドへの理解、オーディエンスへの理解、そしてプラットフォームへの理解が必要になりました。

3キロ

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人間的に成長するのには修羅場を経験することが一番だとよく言われます。しかし、簡単に修羅場といっても実はさまざまです。

週末クライアントさんとの会合の中でこんな会話がありました。「この前なかなか解決できないことがあって3キロ痩せました」、別の方は「新しい上司から次から次への課題を与えられて2ヶ月で3キロ痩せました」。なるほど、自分にも同じ経験があるのですぐに納得、その場でお互い気持ちが通じ合えた気がしました。期せずして自分もちょうど3キロ、この数字は偶然とは思えませんでした。この程度のことは人生において何度か経験する誰もが乗り切らなければいけないレベルなのだと。

一方、本当の修羅場といえるような辛い・苦痛を伴う経験は誰も望んではいないと思いますし、体験もできません。たとえばかつての戦争体験はこれにあてはまります。今の平和な社会での不安や問題とは想像できないレベルだったでしょう。ではどうやって体験をフォローすればよいのでしょうか。それは歴史を知ること、人が今まで行ってきた決断、生きてきた姿に思いを馳せることだと思います。

3キロ程度では済まない修羅場を乗り越えられる勇気を与えてくれるに違いありません。

勝負はこれから?

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売上げ60兆円、11000店舗、従業員220万人、SNSの書き込みが1日6万件、さてこの企業の名前といえば世界最大の小売業ウォールマートです。とにかく全てが巨大サイズですね。

今、ホリデーシーズンを前にウォールマートはスマホで注文してお店でピックアップするテレビコマーシャルを米国で流しています。3年前には500人だった部隊を現在は2500人に、取り扱い品目も今年末には1000万アイテムへと増やすとのこと。本格的にEコマースを強化しています。新CEOのダグ・マクミロン氏は世界最大規模の非公開型クラウド構築によるインフラのパワーアップと顧客の時間節約を実現するオムニチャネル戦略を計画しています。一方、売上げ10兆円のEコマースの雄アマゾンは2週間前おひざもとのシアトルにリアルな店舗を出店すると発表しました。今更リアルな書店を作るとは何か理由があるのでしょうか。また、アマゾンプライムではアマゾンダッシュという簡易注文ができるデバイスを数百人の会員に提供して試験運用しています。ウォールマートとアマゾンの対決は目が離せませんね。

消費者の買い物の利便性に不可欠なデジタルに遅れをとることは許されないと同時にデジタルだけの利便性だけでは物足りない魅力の大切さもさらに増している気がします。

400本

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今秋米国に取材に行った際、業界関係の方から異口同音に「テレビの番組の質が上がった」という声を聞きました。視聴者を惹きつけるコンテンツはやはりオリジナルでなければということで今年米国では400本以上の新テレビ番組が流れています。ハリウッドを抱えるLAがこのところ注目されている理由のひとつもコンテンツを作るうえでの才能にアクセスしやすいからです。

昔ならば、きっとその効果はしっかり視聴者の増加という結果となったでしょう。ところがオリジナル番組の大半は赤字を出していて、おそらく来年には現在放送中の番組の半分は消えてしまうとの予想が早くも出ています。オリジナル番組がテレビ局にとって過去に例がないほど重要になっている一方で成功の確率はますます低くなっているのです。

ちょっと前までは「コンテンツが大増殖してしまった」でした。そして今は「それなりに出来ているコンテンツに溢れている」状況になりつつあります。

原動力

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最近めっきり減った本屋での立ち読みですが、海外出張の前には今も必ず行います。先日も成田空港で「儲かる社長とダメ社長の習慣」という本が目に留まりました。中小企業3万社の社長を見てきた著者ができるとダメを対比させて「儲かる社長とは」の像を示すものです。自分はどっちだろうとそれぞれの項目で○×してみたところ、6対4で儲かる社長のほうに軍配があがったもののダメ社長の行動パターンが4割もあるのにはちょっと落ち込みました。

儲けること(PROFIT)は言うまでもなく企業存続の必須条件です。私たちが生きている資本主義経済ではなおさらです。経済学者レスターサロー氏によれば、資本主義経済を動かす原動力は、「欲」、「楽観主義」、「群集心理」の3つだそうです。確かにこうした考え方に対する警笛や批判もあります。成長と幸福の区別がつかなくなって真の豊かさを見失うというものです。

しかし、サロー氏の考え方は改めて今、会社の成長の原動力にも言えるのではないかと感じています。社会とともに企業が真の豊かさを目指す時、強欲、バブル、ブームに陥らず、一方で健全な原動力を弱めないよう「儲け」を追求しなければなりません。