Brighten Brand Note - BBmedia inc. 社長 佐野真一のブログ

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老舗は捨てたものじゃあない

本社ビルのM1の壁に飾ってある絵は100年カレンダー、そう10年前引っ越してきた際「100年続くプロダクションを目指そう!」とADC会員でもある澤田さんにお願いしてデザインしてもらいました。

それはさておき今回は老舗についてこのところ思っていることを書こうかと思います。老舗と呼ばれるにはどのくらいの期間が必要なのでしょう。業界によっても差があろうかと思いますが、まず100年というのは大きなバーのような気がします。驚いたことに現存する世界最古の企業は金剛組という神社仏閣の大工集団(創業は578年飛鳥時代)だと言われています。ブランドの発祥は一説には古代エジプト時代に遡るそうですが、企業としての「老舗」の数は日本がNO1のようです。ある資料によれば、創業200年以上の老舗企業はドイツ800、アメリカ14、中国9、インド3に対してなんと日本には3000社もあるそうです。創業100年以上の企業となると約15000社、これは驚きの数字です。新会社は5年で10%しか生き残れないと言われる中、全国の1%の企業が100年以上の歴史を持つという事実は興味深い気がします。ある時期を乗り越えられた会社は長寿になれる可能性が諸外国と比べて高いのではないでしょうか。その背景には鎖国封建制度によって地方ごとに市場が発展してきた多様性、もうひとつは京都の老舗に見られるように古いようで新しさを失わないものづくりが体制が変わっても脈々と続いてきたことなどがあると思います。一方でベンチャーや新機軸をもっているだけでは生まれにくい日本の村社会的な構造の裏表でもあるのです。

TVCMは業界が誕生して約60年弱、インターネットは15年足らずで、まだ老舗を語るには早すぎますし、特に広告業界ではただの老舗はほとんど価値を認めてもらえません。しかし、明治維新や敗戦という危機を乗り越えてきた老舗のしたたかさは捨てたものではありません。創業の理念を忘れずに閉鎖的でないフレキシブルな変革を実行できる真の老舗ブランドはとても強いと思います。