Brighten Brand Note - BBmedia inc. 社長 佐野真一のブログ

BBmedia inc. 社長 佐野真一のブログ

3キロ

f:id:bbmedia:20161025193710j:plain

人間的に成長するのには修羅場を経験することが一番だとよく言われます。しかし、簡単に修羅場といっても実はさまざまです。

週末クライアントさんとの会合の中でこんな会話がありました。「この前なかなか解決できないことがあって3キロ痩せました」、別の方は「新しい上司から次から次への課題を与えられて2ヶ月で3キロ痩せました」。なるほど、自分にも同じ経験があるのですぐに納得、その場でお互い気持ちが通じ合えた気がしました。期せずして自分もちょうど3キロ、この数字は偶然とは思えませんでした。この程度のことは人生において何度か経験する誰もが乗り切らなければいけないレベルなのだと。

一方、本当の修羅場といえるような辛い・苦痛を伴う経験は誰も望んではいないと思いますし、体験もできません。たとえばかつての戦争体験はこれにあてはまります。今の平和な社会での不安や問題とは想像できないレベルだったでしょう。ではどうやって体験をフォローすればよいのでしょうか。それは歴史を知ること、人が今まで行ってきた決断、生きてきた姿に思いを馳せることだと思います。

3キロ程度では済まない修羅場を乗り越えられる勇気を与えてくれるに違いありません。

勝負はこれから?

f:id:bbmedia:20161025193709j:plain

売上げ60兆円、11000店舗、従業員220万人、SNSの書き込みが1日6万件、さてこの企業の名前といえば世界最大の小売業ウォールマートです。とにかく全てが巨大サイズですね。

今、ホリデーシーズンを前にウォールマートはスマホで注文してお店でピックアップするテレビコマーシャルを米国で流しています。3年前には500人だった部隊を現在は2500人に、取り扱い品目も今年末には1000万アイテムへと増やすとのこと。本格的にEコマースを強化しています。新CEOのダグ・マクミロン氏は世界最大規模の非公開型クラウド構築によるインフラのパワーアップと顧客の時間節約を実現するオムニチャネル戦略を計画しています。一方、売上げ10兆円のEコマースの雄アマゾンは2週間前おひざもとのシアトルにリアルな店舗を出店すると発表しました。今更リアルな書店を作るとは何か理由があるのでしょうか。また、アマゾンプライムではアマゾンダッシュという簡易注文ができるデバイスを数百人の会員に提供して試験運用しています。ウォールマートとアマゾンの対決は目が離せませんね。

消費者の買い物の利便性に不可欠なデジタルに遅れをとることは許されないと同時にデジタルだけの利便性だけでは物足りない魅力の大切さもさらに増している気がします。

400本

f:id:bbmedia:20161025193708j:plain

今秋米国に取材に行った際、業界関係の方から異口同音に「テレビの番組の質が上がった」という声を聞きました。視聴者を惹きつけるコンテンツはやはりオリジナルでなければということで今年米国では400本以上の新テレビ番組が流れています。ハリウッドを抱えるLAがこのところ注目されている理由のひとつもコンテンツを作るうえでの才能にアクセスしやすいからです。

昔ならば、きっとその効果はしっかり視聴者の増加という結果となったでしょう。ところがオリジナル番組の大半は赤字を出していて、おそらく来年には現在放送中の番組の半分は消えてしまうとの予想が早くも出ています。オリジナル番組がテレビ局にとって過去に例がないほど重要になっている一方で成功の確率はますます低くなっているのです。

ちょっと前までは「コンテンツが大増殖してしまった」でした。そして今は「それなりに出来ているコンテンツに溢れている」状況になりつつあります。

原動力

f:id:bbmedia:20161025193707j:plain

最近めっきり減った本屋での立ち読みですが、海外出張の前には今も必ず行います。先日も成田空港で「儲かる社長とダメ社長の習慣」という本が目に留まりました。中小企業3万社の社長を見てきた著者ができるとダメを対比させて「儲かる社長とは」の像を示すものです。自分はどっちだろうとそれぞれの項目で○×してみたところ、6対4で儲かる社長のほうに軍配があがったもののダメ社長の行動パターンが4割もあるのにはちょっと落ち込みました。

儲けること(PROFIT)は言うまでもなく企業存続の必須条件です。私たちが生きている資本主義経済ではなおさらです。経済学者レスターサロー氏によれば、資本主義経済を動かす原動力は、「欲」、「楽観主義」、「群集心理」の3つだそうです。確かにこうした考え方に対する警笛や批判もあります。成長と幸福の区別がつかなくなって真の豊かさを見失うというものです。

しかし、サロー氏の考え方は改めて今、会社の成長の原動力にも言えるのではないかと感じています。社会とともに企業が真の豊かさを目指す時、強欲、バブル、ブームに陥らず、一方で健全な原動力を弱めないよう「儲け」を追求しなければなりません。

1万→2万

f:id:bbmedia:20161025193706j:plain

タイトルの数字は2013年から14年でニューヨークにおけるUBERの台数の変化です。ニューヨーク名物のイエローキャブはこの先減ってしまうのでしょうか?

一台の車も待たないタクシー会社、コンテンツをひとつも持たないメディア会社、一室も部屋を持たないホテル観光会社、どれをとっても今まで誰も試みなかったビジネスモデルです。ところがインターネットの初期に生まれたイーベイやアマゾン以降、ここにきて大増殖しています。これらの会社を見てみると似ている点がありますね。生活者同士をお互いのニーズをダイレクトに結び付けていること。もともと生活者が持っている資源を有効活用していること。三番目は生活者による健全な評価システムに基づいていること。また、徹底的な使いやすさの追求とスマホやアプリの性能が良いこと。そしてもうひとつが、瞬く間にグローバルに事業を展開しつつあることです。

一方でこうした新興テクノロジー企業が今、既存のビジネスに猛威をふるいつつあります。そして既存のビジネスに強烈なプレッシャーを与えつつあるのです。うかうかしているとあっという間にオールドビジネスになってしまう恐れを皆感じ始めているような気がします。どんな産業といえども安定はなく、「機会と脅威」が高まっているのです。

2015秋米国便り

f:id:bbmedia:20161025193705j:plain

今年も取材を目的にニューヨークにやってきました。2000年から毎年続けているのですが、当初のころと比べて滞在期間は短くなりました。昔は忙しい広告業界の方にアポイントをもらうのに余裕が必要なことと、1年分まとめた課題を取材していたためです。今はより世の中のスピードが高まったことやデジタルマーケティングの範囲が広がったことでお互い頻度が高まりました。

ところでホテルにチェックインして最初に集中することは昔からいつも同じです。それは半日程度TVを見ること。朝5時からお昼前までだいたいお決まりの番組とテレビコマーシャルをチェックします。特に朝のニュースと情報番組でこちらの話題や雰囲気をつかむようにしています。

毎回すべて入れ替わった新作テレビコマーシャルを見ると常に新しい情報の刺激を感じずにはいられません。ミックジャガーの新番組から「若さは年齢ではない」という雰囲気が流れています。来年の大統領選挙候補を話題にしたお笑い番組は米国ならではですね。一方、公共メッセージも健在です。写真は「テキストメッセージは破滅を生む」とデジタル時代ならではの危険を警告しています。

スマートは複雑で混沌?

f:id:bbmedia:20161025193704j:plain

「デジタルの発展がマーケティングにもたらしたものとはいったいなんだろう?」ふと考えてみました。生活者が圧倒的主導権をとったこと、マスマーケティングをピークアウトさせたこと、プラットフォームがビジネスを規定するパワーをもったこと、情報量を大爆発させたこと、グローバル化を加速させたこと、など枚挙にいとまがありません。

そして気付けばデジタルはもはや当たり前の時代となりました。現在13歳から24歳の米国人が毎日平均5台のネットデバイスを使い、それが東京オリンピックの年には倍の10台になるとのこと。スマートフォン、スマートホーム、スマートウォッチ、スマートTV、スマートウォッチなど、世の中「スマート」という言葉があふれています。

一方でいろいろな影響が出ています。たとえば、2013年から2014年で米国内のガムの売上げが11%も下がったそうです。思いもよらないことですが、スマートフォンが影響しているといわれています。クライアントが漠たる悩みを増す中でスマートな問題解決はより難しくなっています。

光明はいずれにあるのでしょうか。複雑で混沌の状況だからこそブランド自体がもっている本質を引出し、見つけることをシンプルにかつ明確にするスマートクリエイティブ(課題→アイデア→実行)に他ならないと思います。