Brighten Brand Note - BBmedia inc. 社長 佐野真一のブログ

BBmedia inc. 社長 佐野真一のブログ

テレビの国

昔から日本人ほどテレビが好きな国民はいないとよく言われます。狭い国土で1億2千万人以上が暮らしながらGDP世界3位の消費大国、時差がなくて、言葉もひとつ、熱しやすく冷めやすい、同質を好み周りを気にする国民性、そうした中で話題提供型メディアのテレビはずーっとパワーを保ってきました。でも私にはもうひとつテレビがとても身近だった理由があります。

親がテレビコマーシャルの制作会社をやっていたこともあって幼いころから最新型のテレビがいつも家にあったからです。サイドボードが居間に合った時代にはテレビは家具のような存在でした。いつしか食卓の上にポータブルテレビが置かれるようになり、テレビを見ながら食事をすることが習慣となりました。そして何十年にもわたってそばにあったテレビは全部メイドインジャパンでした。日本製のテレビはその後カラー化や小型化でも常に世界をリードしてきました。戦後、テレビは自動車と並んで日本の技術を代表するプロダクツであり、日本人の誇りでもあります。

そんな中で、先日のパナソニックがテレビ事業の不振で4000億以上の赤字に陥るというニュースは大きなショックでした。もちろん、今の急激な円高も原因のひとつでしょう。しかし、もっと他にも理由がありそうです。薄型テレビのコモディティ化、韓国勢のデザイン革新への対応の遅れ、3Dの誤算、プラズマから液晶、タッチパネルの急激なシフト、、、

テレビ事業の再生は容易ではないかもしれません。でも横串連係で商品力を高めていけばまだまだチャンスはあるのではないでしょうか。

写真は1960年代、ソニーが世界に先駆けて発売した4インチの白黒テレビです。