マーケティングにおけるデジタルというと広告コミュニケーション戦略の延長でのみ考えてしまいがちです。でもそれは間違いです。しばらく斬新なニュースがなかったナイキですが、2010年に立ち上げた新部署「ナイキ・デジタルスポーツ」から今年1月Fuel Bandという新製品が発売されました。ナイキといえば利用者が自分のスポーツ記録を管理できるナイキプラスで一世風靡したことは皆さんもよくご存知だと思います。すでに500万人がナイキのサイトを利用して、自分のランニングを管理しているそうです。
さて、このリストバンドは着用者の消費エネルギーを記録する装置で、アスリートはもちろん、一般の人たちでも利用できるガジェットです。一個149ドルあまりの売り上げもさることながら、このバンドを通して消費者データを詳細に把握でき、コミュニティを形成し、ユーザーとこれまで以上にブランドとの絆を結ぶ装置となるのです。ユーザーはこのガジェットを使って自分のカロリー消費や一日に歩いた歩数を保存し、管理します。これを結ぶのがインターネットであり、アプリであり、私たちの仕事でもあるのです。つまり、インナーのシステムでないので管理画面ひとつとってもデザイン力やナイキらしいクリエーティブが求められるからです。Fuel Bandのお披露目の席でナイキのパーカーCEOはナイキ・エアと並ぶ商品と紹介したそうです。
デジタル中心にシフトするということは、過去の範疇に収まらないマーケティングの拡大を意味することでもあります。