Brighten Brand Note - BBmedia inc. 社長 佐野真一のブログ

BBmedia inc. 社長 佐野真一のブログ

古くて新しいテーマ

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世界中の大企業がパンデミックによって学んだことのひとつは「いつ社員をオフィスに戻せばいいのか」という考え方を一旦白紙にしなければならないということです。ワクチンの普及に伴って昨年の夏ぐらいからオフィスに社員を戻そうとしていた多くの企業は変異株の拡大で再三延期に追い込まれ、画一的な通勤主義はオミクロンによって葬り去られた気がします。

社会人になってからずっと会社には通勤するのがあたりまえと思っていましたが、すっかり見方が変わりました。元々日本でいわゆるホワイトカラーの社員が自宅から電車に乗ってオフィスに通勤するようになったのは1920年代に始まったとされています。ふと、考えるとたかだか100年程度、それまでは一か所に集まってデスクワークを行う働き方は武士や大商家などに限られていました。実は多様な働き方だったのです。人類の歴史から見ればたった100年、昔に戻るという訳ではありませんが、パンデミックが働き方への見直しに気づきを与えてくれたのかもしれません。

さて、一方でオフィスは働き方の変化がどうあろうと重要であることは変わりません。今回はブランディングの見地からオフィスを考えてみたいと思います。業種・業態によって異なる部分はありますが、共通に言えることはオフィスは目に見えるブランドの一部だということです。企業のシンボルやカラー、ヒストリー、など企業やブランドが持つストーリーを表現することができるプレイス(場)なのです。さらに、昨今のパーパスやサステナビリティなどをオフィスに組み入れることで企業の目指す姿や考え方を表すことも可能です。良くBtoB企業において新たに取引を始める際に必ず相手の会社を訪問するのは、オフィスを訪ねると社風や雰囲気を知ることができるからです。もうひとつ重要な視点は言うまでもなくオフィスは人がリアルで集まるプレイス(場)であることです。安全・安心を保ちながら、人と人の交わりを通じて価値交換と創造を生み出す環境はブランドにとって必須と言えます。社会課題となっている多様性やインクルージョンを意識しているかどうか、インターナルブランディングを考慮したファシリティ(設備・施設)としての視点も知ることができます。

今から45年以上も前のこと、まだブランディングなんていう言葉がなかった当時、「何故銀行は冷房が凄く効いた立派なビルにあるのか」と考えたことがありました。その答えは「信用」、当時、立派なビルに入っていることが顧客から見ての信用イメージにつながっていたからに他なりません。今はネットバンクの登場で強固な建物=信用の結びつきは薄れましたが、、。

一時的と思われていた在宅勤務が定常化し、在宅や脱オフィス勤務の環境が整いつつあります。しかし、オフィスはこれからも意味は違えど企業やブランドにとって重要な役割を担い続けると思います。

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