「評判を管理する」という言葉が重大な不祥事や事件が発生する中で注目されています。企業の評判はまず製品やサービスのユーザーである顧客がその会社に寄せる「信頼」がベースになっています。Reputation Rulesという本の著者ダニエル・ディアマイヤー氏によれば、この信頼を上下させる要素として「透明性」、「専門能力」、「コミットメント」、「共感」の４つをとりあげています。マスコミだけでなく、ソーシャルメディアのパワーが大きくなった今、さらに高い対応レベルが求められるようになりました。たとえば透明性で言うと、情報公開の度合いだけでなく、情報のわかりやすさまでが問われます。専門能力では、問題が起きたときの解決力が問われ、これまた自分自身だけでは解決できない場合は信頼を失ってしまいます。
ただ、この４つの視点は昔から変わらずに言えることではないでしょうか。著者は組織の評判につながる４つの要素を高めるのにはどうしたらよいのか、ここで鍵を握るのは、組織のガバナンス（統治能力）だと述べています。大げさでない言い方にすれば、何か問題が起きたときに放っておかないことだと思います。
「評判を管理する」という言葉はあまり好きではありませんが、問題が起きてしまったときだけでなく、平素にポジティブに信頼を醸成するためにこの４つの視点を取り入れることはとても良いことです。企業も個人もブランドも日頃が大切です。
