インターネットが登場してからずーと「トラディショナル」VS「デジタル」でよく広告業界は語られてきたような気がします。デジタルを標榜する人たちはこれからはインタラクティブの天下が来ると言わんばかりにもうTVはダメだとかマス広告の崩壊を言い、今も人々のメディアシェアは２１％もあるのに、広告金額は７％しかないと言っているような具合です。一方で従来のマス広告を作ってきた人たちは保守的でプライド高く、自分たちの権益を奪うものとデジタルの新興勢力を苦々しく見ていたといった構図です。でも最近の動きを見ているとお互いの強み・弱みを理解しつつ、相互補完をはかろうと対等な立場に近づいてきたのではないかと感じます。お互いをうまく利用することで自分のブランドやコンテンツ、サービスの付加価値をあげられることに気づいたのではないでしょうか。その根底にはユーザーの使いやすさ、利便性やニーズなどを適えることこそが結局自分のブランドの強化につながるという考えがあると思います。米国で先月開かれたセミナーでも伝統的広告会社はテクノロジーに弱いがストラテジーに強く、インタラクティブエージェンシーはその逆、そしてクライアントは今その両方できる広告会社を求めているという話がありました。もしかすると新しいエージェンシーモデルが生まれる余地があるかもしれませんね。当たり前かのしれませんがこれからはテクノロジーがわからないとストラテジーも作れなくなるし、テクノロジーだけわかってもトータルのブランディングはできないよ、ということだと思います。
